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静岡市|地鎮祭とは?企業や会社が用意するべき基礎知識


新社屋の建設や社屋の建て替え・新たに土地を取得して自社ビルや倉庫など建物を建てる前に行う大切な儀式に「地鎮祭」があります。


最近では「地鎮祭をやらない」「簡易的な方法で行う」という方も増えていますが、「地鎮祭」は住宅の場合だけでなく、会社や企業にとってとても大切なイベントです。
今回の記事では、今更聞けない地鎮祭の重要性と基礎知識についてご紹介します。



地鎮祭とは


地鎮祭(じちんさい・とこしずめのまつり)とは、建物の新築や土木工事の起工の際などにその土地の神様を祀り、工事の無事進行・完了と、土地・建造物が末長く安全堅固であることを祈願するために、おこなわれる儀式です。

歴史は持統天皇の飛鳥時代には始まっていたとされていて、宮都(きゅうと)を建てる際に、現在のような地鎮祭をしていたといわれています。

・新築工事を始める前に、工事の安全を願う安産祈願
・建主と建設会社が共同で行うもの
・神様(各地を守る氏神(うじがみ)様)をお呼びして、敷地として使わせてもらう許可を得る神事


氏神(うじがみ)とは


氏神(うじがみ)とは、地域の人々を守る神様。
日本全国の神社を管理・管轄している神社本庁という機関があります。神社本庁自体は東京にありますが、都道府県ごとに神社庁という支部も存在します。
自分の住所がある都道府県の神社庁に問い合わせれば、住んでいる地域の氏神を教えてもらえるので、ご存知ない方は連絡してみましょう。
ほとんどの神社には、その神社を管理運営する神職がいらっしゃるのでお願いすることができます。(稀に神職がいない場合あり)

氏神様は産土様(うぶすなさま)・産土神(うぶすながみ)、また鎮守様(ちんじゅさま)・鎮守神(ちんじゅがみ)と呼ばれることもあります。
自分が生まれ育った土地を守る産土様と、国や王城などの場所を守る神様である鎮守様、そして一族の守り神である氏神様は、もともとは別々の神様でした。

一族の守り神という意味もあるので、その場合は引越しをして住所が変わったとしても氏神は変わらないということになります。新しく建設する場所の氏神様にするのか、会社の代表の氏神様にするのか。わからない方は事前に調べておくのがおすすめです。


地鎮祭のために準備しておくこと


地鎮祭の準備は、施工会社が基本的に対応してくれます。
全て任せきりではなく、建主もどのように進めていくのか把握しておきましょう。

・参加者の確認
地鎮祭では、基本的に建主、神主、設計者、棟梁、現場監督など工事関係者が参加します。
家族・親戚、会社の場合は従業員など、誰が参加するかは建主の判断になりますが、人数が決まらないと設営の仕方や、用意するものの数がわからないので、事前に確認して決めておきましょう。

・日程を決める
参列者が揃う日程を優先に、地鎮祭の日程を決めましょう。一般的に縁起がいいのは、大安・先勝・友引といった吉日です。ですが、一般的に縁起のいい日は、神事が重なり神主さんが対応できない場合もあります。日程を決めたら、まずは神主さんに来て頂けるか確認をして、準備を始めましょう。


地鎮祭の流れ


地鎮祭の式だけであれば、時間的には30分、長くても50分かからない程度が一般的。(規模や人数によって変動あり)

① 入場(手水)
 地鎮祭が始まる前に、参列者は手を水で清めて会場に入ります

② 修祓(しゅばつ)
 神主が、神様に来ていただく神域にするために、設置している物、そして参列者にお祓をします

③ 降神(こうしん)
 神主が、神様をお呼びします

④ 献饌(けんせん)
 神主が、お供えをします

⑤ 祝詞奏上(のりとそうじょう)
 神主が代表して神様にお願いごとをします

⑥ 四方祓の儀(しほうばらいのぎ)
 神主が北東から順に四隅に塩・米・白紙を撒き土地のお祓いします

⑦ 鍬入れの儀(くわいれのぎ)
 「鎌(草刈り)」は設計会社、「鍬(土起こし)」は建主、「鋤(土均し)」は施工店

⑧ 玉串奉奠(たまぐしほうてん)
 建主が玉串(たまぐし)と呼ばれる樹木の神具を奉納、神様へのお礼を示します

⑨ 撤饌(てっせん)
 神主が、献饌(けんせん)に差し出したお供え物を下げます

⑩ 昇神(しょうしん)
 神主が、降神していただいた神様にお帰りいただきます

⑪ 神酒拝戴(しんしゅはいたい)
 参列者でお供えの御神酒(おみき)を献杯します


式の最後のあいさつ
こちらは儀式ではありませんが、地鎮祭の重要な締めとなります。
出席者へのお礼や施工関係者への感謝、工事安全のお願いなどを述べます。


地鎮祭で用意するもの



地鎮祭は神事ですから準備するもの1つ1つに順番や厳格な意味があります。
神様をお迎えし、工事の無事進行・完了と、土地・建造物が末長く安全堅固であることを祈願するのはもちろんのこと。特に会社や企業にとっては関係者に神事に対する姿勢を見せ、参加者に良い印象を与え、従業員への意識を高める重要なイベントになります。
やり方を間違えていたり、予算を優先して必要なものを省くのはそもそも地鎮祭として成立していないと思うのです。

地鎮祭はやらなければいけないものというわけではありません。
「簡易的に行う」という方もおられますが、神様に簡単にお願いすると考えると、神様にも失礼ですし、お金や時間の無駄使いになるのではないでしょうか。
工事が無事に終了し、新しい建物で暮らす方、働く方の幸せ、会社の繁栄を願うために行いたいものですね。

テントや幕

・テント
参加者の人数に合わせた組み立て式のテント
雨や陽射しを避け、神様をお迎えする会場の屋根となります

・幕
紅白幕、青白幕を使用。
紅白幕は我々普通の人間のための幕。青白幕は格上の儀式や神様の場所に使用される幕です。神様をお迎えする地鎮祭には、神様のための青白幕と人間のための紅白幕の両方を使用することが正式なやり方となります。


住宅の地鎮祭で、テントも幕もなく、地鎮祭を行っている光景をたまに目にします。
そもそも地鎮祭は神様をお招きする神事なので、屋根も壁もない家に神様をお呼びするようなもので、神様に失礼ではないだろうかと感じます。
今は施工会社が「簡易的にやる」そういった地鎮祭をおすすめする例もあるようですが、新しい建物に住む人の幸せを願っていたら、きちんとした神事をしたほうがいいのではと思います。


御供え物

お供え物は、神様をおもてなしする為の大事なお食事を意味します。
建主が準備するのが一般的ですが、神社のよっては用意してくれる場合もありますので、事前に確認が必要です。


・奉献酒(一升瓶2本)
・米(一合程度)
・塩(一合程度)
・野の幸(野菜3種類ほど)
・山の幸(果物3種類ほど)
・海の幸(昆布・乾物・頭と尾のついた魚)
(※その他にも、神社ならではのお供え物が必要な場合もあります。)

奉献酒
奉献酒は一升瓶二本の清酒を奉げるのが一般的。包装紙で包み、のし紙の上部に「奉献」または「奉献酒」と表書きした「のし紙」を付けます。


地鎮祭で使用する物


榊(さかき)
玉串(たまぐし)をお供えする儀式に、榊(さかき)の小枝に紙垂(しで)と呼ばれる小さな紙を付けたものを使用します。
榊のような先端がとがった植物に神様が宿ると考えられていたそうです。サカキという名前も「神と人の境界にある木=境の木」といった意味が込められているそうです。
花屋さんやホームセンターでも購入できるので、参加する人数分用意しておきましょう。こちらも神社や設営会社によって用意してもらえる場合があります。

・枡(ます)・湯呑
御神酒用の杯として使うので、参列者全員の人数分を用意しておきます。
湯呑を使用するのであれば、柄や大きさはそろっていたほうがいいでしょう。紙コップで代用する場合もありますが、会社で行う場合はおすすめしません。

・半紙
半紙はお供え物の下に敷いたり、しめ縄や玉串の紙垂などに使用します。

※これらの地鎮祭に必要な小物類は施工会社や神社のほうで用意してくれることがほとんどです。
事前に必要なものがないか、用意してもらえるか確認しておきましょう。

・初穂料(はつほりょう)、玉串料(たまぐしりょう)
玉串料(初穂料)とは、簡単にいうと神社への謝礼金です。具体的な金額は施主の任意で決められますが、場合によっては各神社で基準が決まっているケースもあるので、一度確認してみましょう。
ちなみに大体の相場としては、3万円~5万円前後です。
※初穂料については別の記事で詳細を説明します

・ご近所への手土産
近所への挨拶回りをする場合は、戸数分の手土産代金(1軒あたり500~1000円程度)タオルなどで問題ありません。
挨拶回りで相手が不在の際は粗品をドアノブに掛けたりポストに置いたりすることもあるため、食品は選択しないほうが適切です。また挨拶回りの粗品には必ず「のし」を付けて、水引の上に「粗品」または「ご挨拶」と記載し、水引の下には名前を記載するようにしましょう


地鎮祭が終わってからやること


鎮物(しずめもの)
土地の神をしずめるために地中に埋めるものを鎮め物といいます。
後日基礎工事を始める際に改めて地中に埋めることが一般的ですので、地鎮祭終了後に改修し、建設会社や工務店の方に渡しましょう。

ご近所への挨拶回り
地鎮祭の終了後はこれから建築工事や土木工事を着工することと、工事音や振動などで迷惑をかけることへのお知らせの意味を含めて、近所へ挨拶回りをするのが一般的です。
挨拶回りは施工会社や住宅会社の営業担当などの工事関係者に同行してもらい、、施主も一緒に挨拶回りをしておくとよいでしょう。
特に会社の場合はより良い印象を与えるために必須だと考えます。



まとめ


今回の記事では、今更聞けない地鎮祭の基礎知識についてご紹介します。
最近では「地鎮祭をやらない」「簡易的な方法で行う」という方も増えていますが、「地鎮祭」は住宅の場合だけでなく、会社や企業にとってとても大切なイベントです。
弊社も新社屋建替えにより地鎮祭を行いますので、その際の記事もUPしたいとおもいます。

静岡県内で地鎮祭を検討されている方は、お気軽にお問合せください。





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